2024年04月21日
現代社会において、情報は企業や組織にとって最も重要な資産の一つです。その情報を守るために欠かせないのが 「情報セキュリティ」 です。本記事では、情報セキュリティの基本的な考え方から、具体的なセキュリティ対策までを体系的に整理して紹介します。セキュリティ初心者から経験者まで、改めて基礎を見直すきっかけになれば幸いです。
セキュリティとは、大切なものが危害や損傷を受けない、正常な状態を維持することを指します。つまり、安全な状態を保ち続けることがセキュリティの本質です。
情報セキュリティは、情報の 「機密性」「完全性」「可用性」 を確保・維持することが基本です。加えて、 「真正性」「責任追跡性」「否認防止」「信頼性」 などの特性も重要視されています。
これらの考え方は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の根幹をなすものであり、企業や組織が情報という資産を守るためのフレームワークです。
情報セキュリティは、大きく次の2つに分けることができます。
建物や設備を守るための対策。
情報システムや人、運用ルールに対する対策。
情報セキュリティの基本的な特性は以下の7つがあります。
情報を許可された人だけが扱える状態に保つこと。
→ アクセス制御(認証、認可)、暗号化
情報が正しく、改ざんや誤りのない状態を維持すること。
→ ハッシュ値による検証、デジタル署名
必要なときに情報やサービスが使える状態にあること。
→ 冗長化、バックアップ、定期保守
アクセスしている人や組織が正当なものであること。
→ 多要素認証、デジタル証明書
誰が何をしたかを追跡できる状態にあること。
→ ログ管理、操作履歴の記録
「やっていない」と後から言い逃れできないようにすること。
→ デジタル署名、タイムスタンプ
システムが期待通りに動作し、誤動作しないこと。
→ フォールトトレラント設計、ヒューマンエラー対策
情報セキュリティの対策は、目的ごとに以下の4つに分類できます。
問題の発生を未然に防ぐために、人の意識へ働きかける。
脆弱性に対して事前に対策を施す。
インシデントを早期に発見・追跡し、影響を最小限に抑える。
障害や攻撃が発生した後、速やかに復旧する。
セキュリティ対策の基本的な考え方は、単に対策を講じるだけでなく、「守るべきものは何か」「どんなリスクがあるのか」「どうやってそれに対応するか」という一連の流れを踏まえて計画・実施していくことが重要です。
すべての情報やシステムを同じように保護するのではなく、重要度(顧客情報、機密ファイルなど)優先順位(業務影響、法的責任)に応じて守るべきものを特定します。
外部からの攻撃(サイバー攻撃、マルウェア)だけでなく、内部不正、ヒューマンエラー、自然災害などの「脅威」もリスクの対象になります。
システムの設定ミスや運用上のミスといった「脆弱性」を見逃さないことも大切です。
情報資産にどんなリスク(脅威と脆弱性の組み合わせ)があるのかを分析・評価します。。
例:顧客情報を扱っている → 漏洩リスクあり → 適切なアクセス制御が必要
組織全体で「どう守るか」というルールや方針を明確にします。
セキュリティの意識を統一し、従業員教育や手順書の整備を通じて過失や不正を防ぎます。
セキュリティを強化すると利便性が低下する場合もあるため、業務効率とのバランスを考慮します。
100%防ぐことは不可能という前提で、インシデント発生時の対応体制や手順を事前に整備します。(BCP対策など)
現在のセキュリティ対策が本当に有効かどうか、年1回以上は第三者によるレビューを行い、状況や技術の変化に応じて見直しを図ります。
セキュリティ設計の原則とは、情報資産を安全に守るための基本的な考え方です。
情報セキュリティは、単に技術やツールだけで成り立つものではありません。組織の文化や人の意識、運用ルールなど多くの要素が絡み合っています。だからこそ、基礎をきちんと理解し、実行可能な対策を一歩ずつ積み上げていくことが何より重要です。
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